【漢詩創作】映画『ルックバック』で一首

最近本格的に本を購入して漢詩創作を始めたので一首。

劇場アニメ「ルックバック」

 

昔時日夜聚閑堂 

共画丹青万巻長 

縦使今宵山海别 

相思犹在満鋒芒

昔は昼も夜も小さな部屋に集まり、数え切れないほどの絵を共に書いてきた。

たとえ、あなたと遠くに分かれても、この思いは私の筆先に宿る。

 

【原神de漢詩】自作漢詩3首

最近漢詩を作ってみました。

韻律と平仄も入れて全部ちゃんとやったのは多分初挑戦!!

漢詩つくる人におすすめのサイト:https://sou-yun.cn/

 

宋詞の天浄沙という詞牌名*1を使用。

千尋の砂漠

秋風夕靄湖沙
別時楊柳飛花 
把剣携書走馬
黄塵塞下
去来幾許年華

(大まかな訳)

秋風に立ち込める夕靄、湖のほとりの流砂

別れの場所で揺れていた柳、風に舞った花

剣を手にとり、書を携え、馬を走らせる

黄塵の吹き上がる辺塞の地を

行って帰るには幾ばくの年月となるか

沈玉の谷

清風碧水繞茶田 
楊柳紅花旧宅前 
商客遙知故郷事 
行舟異国各依然

(大まかな訳)

茶畑に吹く清よらかな風、流れる碧緑の水

古びた住宅の前に立ちならぶ柳と赤い花々

商人は遠い故郷の出来事を知りながら

相変わらず異国でそれぞれの船を走らせる

 

*商人=フォンテーヌから沈玉の谷にやってきた商人たち(両国は往来が盛んな設定)

*故郷の出来事=フォンテーヌで起きた災難(魔神任務参照)

 

フィンドニールの頂上

長夜冰深處 
寒空飛雁稀 
雷鳴轟地裂 
墟塞更斜扉

(大まかな訳)

長い夜の氷の深いところ

寒空には飛ぶ雁も稀である

雷鳴がとどろき、地が割れる

廃墟となった要塞は崩される

 

*1:詞の長さや韻律を規定した一種の形式名

漢詩和訳010:春の花にもまさるべし(杜牧『山行』)

漢詩和訳10作目。

今回も新体詩スタイルですが、単語をほぼ原文そのままかつ同じ4行で作ったので、一周回って書き下し文のようになりました。でもリズム感がいい感じになったと思います。

杜牧の「山行」は詩吟の一作になっています!この前、知人に誘われ東大で初めて詩吟を聞いて来ましたが、漢詩&和歌好きとしてはすごく良い体験でした✨

 

原文

遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅于二月花

解説

遠く秋の山を登ると石の道が斜めに続き、雲が湧くあたりに人家が見える。

夕暮れに車を止めて楓を見ると、春の花よりも鮮やかな赤だ。

 

訳してみた

歩みて遠き秋山やつづら折りなる石畳

白雲生まれしそのかたに霞みて見ゆる人家あり

車駕(くるま)を止めて晩秋の深きに耽け入る吾が心

紅く染まりし山の葉は春の花にもまさるべし

漢詩和訳009:啼く霜寒き夜なれば(張継『楓橋夜泊』)

漢詩の和訳9作目。今回は原文の単語を極力変えずに新体詩に落とし込みました。

原文

ちょうどいい書き下し文の画像があった。

楓橋夜泊(張継)の原文・書き下し文・現代語訳|単語の意味・漢詩漢文解説|近体詩 | 四季の美

原文解説

月が沈み、烏が啼いている寒い夜だ。楓や漁火が目に映り、眠れずにいる。姑蘇(今でいう杭州)城外にあるという寒山寺から、夜半の鐘が鳴り、自分が乗っている船にまで響いてきた。

 

訳してみた

傾く月や夜烏よがらす

啼く霜寒き夜なれば

江上に散る楓の葉

あるいは浮かぶ漁火に

相対すれば由無よしなしの

愁ひもありて眠り得ぬ

遊子を載せて岸近き

小舟に夜半の鐘の鳴る

何処いづこよりかと人問えば

姑蘇の外れの寒山寺

 

現代人にもイメージが伝わる雅な新体詩+漢詩の堅牢さも備わった強めの作品に出来た気がします。最後の2行をもっと上手く処理したい…!

漢詩和訳008:奥山のいと静けしや(王維「鹿柴」)

漢詩の日本語訳作ってみたシリーズの8作目。今までで一番自分の理想に近い作品が出来たと思います、島崎藤村の書いた新体詩の影響をかなり受けています。

原文

王維「鹿柴」

空山不見人, 但聞人語響。
返景入深林, 復照青苔上。

 

意味:静かな山はどこにも人がいないけど、どこからか人の話し声が聞こえてくる。夕陽が山の中に射し込んで、岩の苔を照らしている。

試訳

奥山のいと静けしや
人影のひとつも有らねど
遠きより語らふ声の
ふたつみつ聞こゆるごとし
暮れゆけば西陽一筋
雲間よりわづかに出でて
深き野に姿隠せる
むらひとつ照らしたり

 

参考:佐藤春夫の日本語訳(『玉笛譜』)

山ひそやかに人げなく
ただ語らひのもれひびく
林の奥に入日さし
青苔のというを照しつつ

 

この写真のイメージに近い

私が最近読んで参考にしてる本

藤村詩抄 (岩波文庫): 島崎 藤村

 

解説してる記事もみてね

hiranolab.hatenablog.com

漢詩和訳007:竹林深き夕まぐれ(王維「竹里館」)

漢詩を和訳してみたシリーズ7作目!今日は佐藤春夫詩集が届きました。佐藤春夫は漢詩の和訳詩をたくさん書いており、かなり学びが得られそうな一冊です。

原文

独坐幽篁里,
弹琴复长啸。
深林人不知,
明月来相照。 

 

意味:幽玄な竹林に一人座り、琴を弾き歌を歌う。竹林の奥深くに一人でいることを知る人はおらず、ただ月だけが静かに我が身を伴する。

試訳

竹林深き夕まぐれ
人の世遠く離るれば
ひとり連ねる琴の音も
うたふ調しらべも届かざらむ
その深き人知らぬゆゑ
月影のみぞきたるかな

前半の情景に比重を置きたかったので、今回は6行で作りました。

 

参考:佐藤春夫の日本語訳

竹むらにひとりうづもれ
琴把りてうそぶき居れば
やぶふかみ人こそ知らね
月かげぞおとなひにける

 

全体的に漢詩らしい重みのある世界観を感じます。私は漢詩を全く知らない人でもその良さを感じられる詩を書きたいので、自分の書いた詩のほうが、現代人には親しみやすいかなと思いました()

 

1966年発行で時代を感じる

【回文】今まで書いた回文詩のまとめ

今まで書いた回文の詩を一旦まとめ。駄作も多い中から厳選したものたちです。
*回文において濁点は無視していいものとします。

旅路

遠ざかる富士山先雪三匙降る風音
(とおざかるふじさんさきゆきさんさじふるかざおと)
 
背伸びる向日葵が集りは真昼日の伊勢
(せいのひるひまわりがたかりわまひるひのいせ) 

春夏秋冬

気高い春 この日去っては 鉄錆残る廃家だけ
(けたかいはるこのひさつてはてつさひのこるはいかたけ)

 

長日射し 歩けば戯ける紫陽花かな
(なかひさしあるけはたはけるあしさひかな)

 

駅 照れ隠し日 葉も侘しく枯れて消え
(えきてれかくしひはもはひしくかれてきえ)

 

仲違いの日 冬際歌って伝う 若き夕陽の筏かな
(なかたかいのひふゆきかわうたつてつたうわきゆふひのいかたかな)

永遠の0

永遠捧げるは 天の路泳ぐゼロ
心急く世を忍んで春今朝残影へ
(えいえんささけるはてんのしおよくせろこころせくよおしのんてはるけささんえいえ) 

路地の花

昼下がりは真昼 丘を薫る向日葵が去る日
(ひるさがりわまひるおかをかおるひまわりがさるひ)

 

路地詰まる藜を 青さがある真っ白
(ろしつまるあかさをあおさかあるまつしろ)

 

富士山にいたときに「富士山」で回文を作るようお題を出されて、1作品目を書きました、やはりこの作品が最初にして最高の一作である気がします。