漢詩和訳009:啼く霜寒き夜なれば(張継『楓橋夜泊』)

漢詩の和訳9作目。今回は原文の単語を極力変えずに新体詩に落とし込みました。本来の漢詩の情景をかなり高く再現できました!

原文

ちょうどいい書き下し文の画像があった。

楓橋夜泊(張継)の原文・書き下し文・現代語訳|単語の意味・漢詩漢文解説|近体詩 | 四季の美

原文解説

月が沈み、烏が啼いている寒い夜だ。楓や漁火が目に映り、眠れずにいる。姑蘇(今でいう杭州)城外にあるという寒山寺から、夜半の鐘が鳴り、自分が乗っている船にまで響いてきた。

 

新体詩

傾く月や夜烏よがらす

啼く霜寒き夜なれば

江上に散る楓の葉

あるいは浮かぶ漁火に

相対すれば由無よしなしの

愁ひもありて眠れ得ぬ

遊子を載せて岸近き

小舟に夜半の鐘の鳴る

何処いづこよりかと人問えば

姑蘇の外れの寒山

 

感想

冒頭にも書いた通り原文の単語を最大限尊重することで、新体詩漢詩の堅牢さも備わった強めの作品に出来た気がします!最後の2行をもっと上手く処理したい…!